当院では、免疫抑制剤や外用薬、シャンプー剤による治療は行いません。これらの治療は症状を抑えるための対症療法であり、完治を目的としたものではないからです。
当院では、病状を表面的に抑えるのではなく、漢方やホメオパシー療法を取り入れた独自の総合診療で、根本的な治療を行います。
●症状(初診時)
シーズーにかかりやすいといわれる内分泌性皮膚疾患です。
脱毛や薄毛などの症状や皮膚炎が見られました。
ドライアイ、緑内障、外耳炎、心臓血管の硬化を併発しており、来院時既に発症から10年が経過していました。
●治療
当院では、それぞれの犬種や症状に合わせた漢方薬を院内で処方しています。
漢方薬による投薬治療とホメオパシー療法の併用による免疫不全の治療などによって、約1年かけて完治にこぎつけました。
●治療開始年齢:5歳
●診断
自己免疫疾患、内分泌性皮膚疾患
●症状(初診時)
皮膚が硬化し、大量のフケがかさぶたのように重なるなど、重度の皮膚疾患を起こした状態で来院。
後ろ足、かかと、耳根部などに、パターン脱毛や不完全脱毛(薄毛)が見られました。
皮膚疾患と同時に起こりやすい外耳炎も併発し、免疫不全の症状のひとつである耳血腫を何度も繰り返していたことによって、耳の内側がでこぼこに変形していました。子犬のときからこのような症状が出はじめ、発症からすでに5年が経過していました。
※パターン脱毛症は、フレンチブルドッグやパグに出やすい疾患です。
●治療
複合性の皮膚病のため、それぞれの症状にあった治療を現在進行形で行っています。
院内処方の漢方薬による投薬治療とホメオパシー療法の併用による免疫不全の治療、不足ホルモンの補充治療が中心です。
この症例では、週1回の通院と毎日の投薬で症状の改善を図ることからスタートしました。
回復傾向にある現在は10日に1回の通院で経過を見ながら、治療を継続しています。
●途中経過(治療開始から1年後)
初診時は、完全に毛が抜け落ちてしまっている部分があちこちに見られるほど重症でしたが、治療が進むにつれ皮膚状態が改善し、薄毛が生えてきました。
○部の脱毛薄毛
●治療開始年齢:6歳
●診断
内分泌性皮膚疾患
●症状(初診時)
脇の下と下腹部に、脱毛と色素沈着が見られました。
●治療
院内処方の漢方薬による投薬治療とホメオパシー療法の併用による免疫不全の治療、不足ホルモンの補充治療を行いました。症状の緩和のために減量が必要であったため、飼い主様には食事指導を行いました。
柴犬は、もともと内分泌性皮膚疾患を起こしやすい犬種です。特に、避妊・去勢手術を行った場合や太りすぎの場合などにも発症率が高まります。成犬になったら体重管理にも気を付けてください。
○部脱毛、色素沈着